愉快にして不快、そして痛快！おぞましくも可笑しいシーンのオンパレード。観るたびに、剥ぎたてビチャビチャ人面マスクのつけ心地を想像してしまう！

死をテーマに、映画ならでは、お国柄ならではの描き方に圧倒。まさに“死のオリンピック”でした。この業界に生きる人間として、死ぬまでに勇気を出して観てよかった、衝撃度の高い一本。

“今夜のあなたの歌を聞いて心の旅が出来たわ”

この劇中の台詞のように、まさにこの映画を見てエディット・ピアフの愛に触れる旅が出来た。

歌だけではなく、演技・演出・撮影・美術・衣装すべてが美しい！

無機的な立方体が連なる建築物。会社員たちが理不尽なゲームに命を操られる社会。そんな冷たいディストピアで、正気を保とうとする男女の美しい映画だ。

ジャン＝クロード・ヴァン・ダムと言えば開脚、その初期代表作「キックボクサー」と言えば気持ち悪いダンス。VOLVOのCMなどヴァン・ダム動画とあわせて観たい！

いい加減でだらしなくてバカで陽気な愛すべき人々の乱痴気騒ぎが、やがて夢のように美しいラブシーンを生む

クラウス・キンスキーがナチの殺人快楽遺伝子を受け継いだ管理人を嬉々として演じるのが眼福。

二日酔いをテーマにしたいろいろ映画はあるが、ここまで凄惨な二日酔い映画は他にないんじゃないだろうか！パブで、知らん人の家で、荒野で、呑む呑む。ちょっと覚めたかと思ったらまた飲み呑む呑む。酒を戒める内容なんだろうが観るとまたビールが呑みたくなるんだから酒好きは困ったもんだ。

子供の頃はわからなかったが、原作と出会い不朽の名作の価値を知る。原作のヴォネガットはこの映画を「小説よりよくできている」と評した。貴方も時空を超えて必ずこの映画に出会うだろう。そういうものだ。

カサベテスのオーバーグラウンド作品中、最もアンダーグラウンドな安値のダーク・ラム。リンチやタランティーノとの共振。

イカれてる映画は数々あれど、製作者にロジャー・コーマンの名を見つけたなら、そりゃB級の中でもA級のイカれ具合は間違いなし！特に『デス・レース2000年』は。

でっかいどんでん返しを中盤に投下、ジャンルの垣根を飛び越え、善悪を逆転させ、観てるこっちは大混乱（でも心地良い）。さすが『マーターズ』のパスカル・ロジェ。自由過ぎる！

後味悪い。見たことを後悔する。自分自身のトラウマと化してしまう。だけど狂おしく惹かれてしまう。なのに最高の映画と監督として挙げてしまう。

精液したたる怪人マグワンプ、女性器っぽい背中の昆虫タイプライター、セックス・ブロブ…… 字ヅラだけでもゾクっと来ますが、実体化したクリーチャーたちの粘～っとした気持ち悪さはトラウマ必至！

マーベル・コミックに出てくるキャラで、なんと近年「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」で、コレクター収集物の一部として登場したことでも話題。ゆくゆく「アベンジャーズ」シリーズに参入前に、死ぬまでにこれは見たい！　

ダンテ・ラム監督の代表作の一つ。主演のニコラス・ツェーとニック・チョンの緊迫した演技が最高。冒頭の激しく痛々しいカークラッシュシーンは必見！

この映画のビリーは、ダイナマイト・キッドや

狂い咲きサンダーロードの仁さんと同じように、

見てるこちらの何かにスイッチを入れる。

死ぬまでに何度もビンビンにさせてくれます。

その仏頂面の人々の奥にある温かな人情。カウリスマキ独特のペーソスとユーモア。なんだかんだで皆やさしい。世知辛い世の中だけど、捨てたもんじゃないかもとゆるやかに思わせる、ささくれた心に沁みる一作。

作品を発表する度に世界を挑発してきたキム・ギドク。そろそろ断言してもいいはずだ、『悪い男』こそ最高傑作なのではないか、と。最小限の言葉と視線で描かれる恋愛映画の極地に痺れろ！